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実用新案登録出願

<保護対象>

実用新案制度における保護対象は、物品の形状、構造又は組合せに係る考案です。”物品の形状等”に係るものであるため、”方法”に係るものや”プログラム発明”は実用新案の保護対象となりません。

<提出書類>

実用新案登録出願においても、特許出願と同様に、願書・明細書・請求の範囲・図面・要約書を特許庁に提出する必要があります。実用新案登録出願においては、特許出願と異なり図面が必須とされていますので注意が必要です。

<登録要件>

実用新案登録出願における登録要件についても、特許出願と同様に産業上利用可能性、新規性、進歩性、先願性等が要求されます。しかしながら、保護対象において創作の「高度性」が要求されておらず、進歩性における要件が特許に比べて緩和されているなど、法的には、小発明は実用新案、高度な発明は特許という住み分けがされています。ただし、現実には、実用新案であるからといって小発明でなければならない訳ではなく、また、進歩性等の判断においても、運用上は特許の場合と大差はありません。

<無審査登録制度>

特許制度においては、新規性、進歩性等の特許要件を満たしているかの実体審査を経て権利が付与されますが、実用新案登録制度においては、方式的要件と基礎的要件についてのみ審査され、実体的要件の審査を経ずに権利が付与されます。そのため、実用新案権は、権利取得が迅速であるというメリットがありますが、重複権利が乱立するので権利が不安定であるというデメリットがあります。なお、権利濫用防止の観点から、権利行使の際には一定の制約があります。

<存続期間>

実用新案権の存続期間は、平成16年法改正により出願日から10年となりました。従来は出願日より6年でしたので、権利期間は4年延長されたことになりますが、特許権の存続期間(20年)に比較すると短期間です。そのため、実用新案制度はライフサイクルの短い製品群に適していると言えます。

<費用>

出願費用(庁費用)は、特許出願の場合より1,000円安価な14,000円です(2008年8月現在)。また、登録料も特許料よりも安価に設定されています。しかしながら、出願時点で3年分の登録料を納付しなければならないこと、明細書作成等の代理人費用は特許の場合と大差ないことなどから、出願時点では特許出願よりも高額となる場合もあります。費用面で実用新案登録出願と特許出願のどちらにメリットがあるかは難しい判断となります。

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