意匠登録出願
<保護対象>
意匠は、物品あるいは物品の部分における形状・模様・色彩に関するデザインであり、意匠権は、工業上利用できる意匠を保護対象としています。工業上利用できる意匠とは、工業的生産過程を経て、工業的技術を利用して同一物を反復して量産できる製品の意匠であり、天然物や美術工芸品は含まれません。
意匠法は、製品の優れたデザインを保護することにより、製品の需要を増大させて、産業の発達に貢献することを目的としています。
<提出書類>
意匠登録出願における提出書類は、願書と図面です。願書には、意匠に係る物品を特定して記載します。また、必要に応じて意匠の説明や意匠に係る物品の説明を記載します。図面は、原則として六面図が必要ですが、それに加えて斜視図や断面図、参考図などを提出する場合もあります。図面の代わりに写真、ひな形や見本を提出することも可能で、最近ではCGによる図面の提出も可能となりました。また、必要に応じて特徴記載書を提出する場合もあります。
<存続期間>
意匠権の存続期間は、平成18年法改正により設定登録日から20年となりました。従来は設定登録日より15年でしたので、権利期間は5年延長されたことになります。これにより、ロングライフ商品群に対するデザイン保護の強化が図られることとなりました。
なお、意匠制度には、様々な出願態様がありますので、以下個別に概略説明します。
◆部分意匠
部分意匠制度は、物品の部分に係る形状等について独創性が高く特徴ある創作をした場合に、その創作を部分意匠として保護する制度です。物品全体としてはデザインが異なるが、その物品の中の特徴ある特定部分のみが模倣されるという弊害を防止するのに効果的な制度です。部分意匠の意匠登録出願を行うには、願書にその旨を記載し、また、図面中に意匠登録を受けようとする部分とそうでない部分とを明示しなければなりません。
◆関連意匠
関連意匠制度は、相互に類似する複数の意匠を保護する制度です。一の本意匠に対し、それに類似する関連意匠(1つであってもよいし、複数であってもよい)として保護を受けます。関連意匠制度は、1つのデザインコンセプトから創作された類似的なバリエーションの意匠を効果的に保護することができる制度です。従来は、本意匠と関連意匠とは同日に出願する必要がありましたが、平成18年法改正により関連意匠出願の時期的要件が緩和され、より使いやすい制度となりました。
◆秘密意匠
秘密意匠制度は、意匠権の設定登録日より3年を限度として登録意匠の内容を秘密にすることができる制度です。意匠権が設定登録されると意匠公報が発行されるので、何人も登録意匠の内容を見ることができるようになり、第三者にその意匠を模倣されてしまうおそれがあります。秘密意匠制度は、製品化予定がまだ先であるなど、登録意匠の内容を他人に知られたくない場合に、意匠公報に意匠の内容が掲載されないようにする制度です。一定期間登録意匠の内容を秘密にして、登録意匠が公開されることによる模倣等の弊害を防ぐことができます。
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